プーチン大統領は先週、大手缶詰メーカーの経営権を一時的にロシア政府に譲渡する法令に署名した。



プーチンは2023年4月、クレムリンが 「非友好的」とみなす国の外国企業のロシア国内の資産を差し押さえる権限を政府に与えた。 これは、西側諸国がロシアの国家資産約3000億ドルを凍結したことに対する報復と広く見られている。 プーチンの最新の命令は、持ち株会社グラブプロダクトとその子会社数社、缶詰工場3カ所の差し押さえを命じるものだ。政府はまた、グラブプロダクト社の親会社であるプロムセルホジンベスト社(米国籍のユニバーサル・ビバレッジ社が所有)の支配権を握ることになる。


経済紙『コメルサント』によると、ユニバーサル・ビバレッジのオーナーはロシア系アメリカ人のビジネスマン、レオニード・スミルノフ氏で、彼は1970年代にソ連から移住し、1990年代にロシアに戻った。


同紙によると、グラブプロダクト社はロシアを代表する缶詰食品メーカーで、肉缶詰、コンデンスミルク、魚や野菜の缶詰など500以上のブランドを展開している。プーチン大統領の法令によれば、差し押さえられた資産の一時的な管理は、ロシアの連邦国家財産管理局ロシムシュチェストヴォが監督する。


米国と欧州連合(EU)は、2022年のロシアのウクライナ侵攻をめぐる西側制裁の一環として、3500億ドル以上の国家資産と個人資産を凍結または差し押さえた。EU加盟国は5月、凍結された資産から得られる数十億ユーロをウクライナの武装支援と戦後復興の資金に充てることで合意した、と『モスクワ・タイムズ』紙は報じている。